都々逸の三味線からスティービーHarpejjiまで!古今東西弾き語りスタイル 

このコラムは約5分で読めます

jikyujisoku

このコラムでは、WooM-Song.Club ならではの視点で、弾き語りアーティストや、その芸(スタイル)をご紹介いたします。

 

 

三味線だって弾き語り「都々逸」を聴いてみよう

弾き語りは、自分で演奏し、歌も歌うというたった一人のミニ・バンド。一人だからこそ、バンドやアンサンブルにはない研ぎ澄まされた孤高のアート表現が可能になります。

弾き語りといえば、ピアノの弾き語り、ギターの弾き語り。だいたい、このどちらかでしょう。今回は、ちょっとひねりのある弾き語りを紹介いたします。

まずは、この歌(芸)をお聴き下さい。都々逸(どどいつ)です。

新内枝幸太夫 – 都々逸 三千世界

都々逸(どどいつ)とは、江戸末期に初代の都々逸坊扇歌(1804年-1852年)によって大成された、口語による定型詩。七・七・七・五の音数律に従う。

元来は、三味線と共に歌われる俗曲で、音曲師が寄席や座敷などで演じる出し物であった。 主として男女の恋愛を題材として扱ったため情歌(じょうか)とも呼ばれる。

七・七・七・五の音数律に従うのが基本だが、五字冠りと呼ばれる五・七・七・七・五という形式もある。

(Wikipedia より)

若い読者の方々には、単なる古くさい伝統芸能に映るかもしれませんが、三味線のビブラートやスライドなど、ギタリストから見ると素晴らしいテクニックですし、落ち着いた味わいのある歌唱表現は、ロックのボーカリストにも参考になるでしょう。

野口自身、都々逸はこれまであまり聞いてきませんでしたが、「侘び寂び(わびさび)」といった純日本のアートの素晴らしさに触れた気がしました。

これって弾き語りですよね!!

 

都々逸の歌詞

三千世界の鴉(からす)を殺し 主と添寝(そいね)がしてみたい

世界中の(明け方、カアカアとうるさい)カラスを殺してでも、お前(彼女)と添い寝がしたいなぁ。という色っぽい歌詞です。なんと、長州藩の尊王攘夷の志士として活躍した高杉晋作の作といわれています。

もう一つは、

何をくよくよ川端柳 水の流れを見て暮らす

これは、坂本龍馬の作といわれています。

人生、生きるも死ぬも同じこと。どんと構えて、泰然自若でいこうじゃないか!

というメッセージが読み取れます。

 

フォークシンガーの元祖「添田 唖蝉坊」

添田 唖蝉坊(そえだ あぜんぼう)さんは、明治・大正期に活躍した演歌師の草分けです。演歌といっても、今の演歌歌謡曲のそれではなく、社会風刺を三味線一本で歌う、いわば日本のプロテスト・フォークシンガーの元祖です。

今回、唖蝉坊さんのスタイルを忠実に再現しているという「土取 利行」さんの動画を拝見し、感動してご紹介する次第です。

添田 唖蝉坊 – ノンキ節(土取 利行による弾き唄い)

添田 唖蝉坊・ブラブラ節(土取 利行による三弦弾き唄い)

ノンキ節は、大正6年に作られ7年から、縁日や夜店などで歌われて流行したそうです。日本人ってこの百年変わっていないんだなぁ! と感じさせる深い歌詞。

ネットがなくても、テレビがなくても、いい物や共感を得る物、庶民の想いを代表する物は、じわじわと広がり、ヒットしていくのですね。泣きそうです。

野口は、唖蝉坊さんの演歌をフォークシンガー「高田渡」さんのカバーで知りました。それは、唖蝉坊さんの歌詞を高田渡さんが、新たにフォークソングとして作曲するというパターンでした。

あるいは、アメリカン・フォークのメロディーに唖蝉坊さんの歌詞を乗せるというパターンもありました。

ご参考として、高田 渡 さんの「現代的だわね」をお聴きください。

高田 渡 – 現代的だわね

これを聴けば、日本のフォークソングの源流に、唖蝉坊さんからの流れがあったのは間違いないと分かりますね。動画の最初に、作詞と作曲がクレジットしてあります。作曲のW・ガスリーとは……ウディ・ガスリーというアメリカのフォークシンガーで、ボブ・ディランにも多大な影響を与えました。しかし、作詞の唖蝉坊さんと作曲のウディ・ガスリーを掛け合わせた高田渡さんのセンスもスゴいですね!

 

エド・シーランのループペダルを使った迫力の弾き語り

いきなり、世界が変わります。

アコースティック・ギターとループペダルだけを使った迫力の弾き語りです。エド・シーランは、「Thinking Out Loud」が、第58回グラミー賞のソング・オブ・ザ・イヤーに輝いたイギリスのシンガーソングライター。2016年で、若干25歳です。

エド・シーラン – You Need Me, I Don’t Need You

この動画の弾き語りは、「ループペダル」(ルーパー)と呼ばれているデジタル・サンプリング・マシンを使った一人バンドと言えるパフォーマンスです。

足でルーパーの録音スイッチを踏んで演奏すると、その演奏フレーズがメモリーに記憶され、ズッとループ(繰り返し)して鳴り続けるのです。

次に、別のトラックのスイッチを踏んで、違うフレーズを演奏すれば、それも重なって繰り返し演奏されます。

動画を見ると、イントロでは、ギターのアルペジオを2種類重ね、ボイパ(ボイス・パーカッション)的な効果を2種類入れて、あっという間にベーシック・サウンドを作り上げています。

これは、新しい時代の弾き語りスタイルと言えますね。動画の5分過ぎからは、別のパターンを重ねて新たなループ・サウンドを作っています。6分40秒あたりで、なんとギターをお客さんに渡し、歌だけで盛り上げています。

ループペダルありきの曲作りやアレンジになっているのですね!!

looper1

エドは、日本製のRC-30」も使っていたようです。

looper2

RC-30」2万数千円。これでエド・サウンドが手に入るかもしれません。

 

スティービー・ワンダーが演奏する「Harpejji

スティービー・ワンダーが新しい楽器で弾き語りをしています。開発されたばかりの「Harpejji」(ハーページー)という半分ギターで半分キーボードの不思議な楽器です。

「Harpejji」を演奏するスティービー・ワンダー

指の動きはキーボード。出てくる音色はギターっぽいですね。スティービーお得意のクラビネット的な響きにも聞こえます。

実は、2014年グラミー賞のライブで、スティービーが不思議な楽器を演奏している! と一日で、その噂が世界中に広がりました。

グラミー賞最優秀楽曲に学ぶ作詞作曲

それが、「Harpejji」だったのです。

この動画をみれば、スティービーが飛びついたのも理解できます。新しく生まれた楽器で弾き語り!

スティービーのチャレンジ精神は素晴らしいですね。

 

弾き語りは何でもあり!

弾き語りは、伴奏を自給自足するのですから、どんなチャレンジも可能です。失敗したって、恥をかいたって自己責任! だからこそ、やりがいもあるのですね。

今回は、明治時代からアメリカの最先端まで、弾き語りを軸にした、当サイト史上最大の振れ幅のコラムでした!

こんな弾き語りが面白いよ! とかあれば教えてくださいね。

 

まとめ

弾き語りのスタイルはいろいろあれど、大事なのは詞とメロディー、歌!

そこを忘れちゃいけません。

保存

保存

野口 義修

投稿者プロフィール

音楽プロデューサー。
ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。
あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

メンバーシップ

運営者情報

yoshinobu_noguchi_300_300

野口 義修

音楽プロデューサー。

ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。

あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。

ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

詳細プロフィール

feedly

follow us in feedly
ページ上部へ戻る