無罪!!レッド・ツェッペリン『天国への階段』盗作問題。これがOUTなら作曲できない

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2016年6月24日、世界的な名曲「天国への階段」(レッド・ツェッペリン)が盗作で訴えられた結果、無罪で決着しました。

世界中のミュージシャン、作曲家、ファンたちは、ホッとしていることでしょう。これがOUTなら作曲できない!このコラムでは作曲する際、どこまでが盗作になるのかを考えていきます。

WooM(ウーム)!!!!!

 

『天国への階段』盗作裁判

すでに、当サイトのコラム「問題はイントロのクリシェ!ジミー・ペイジ『天国への階段』は盗作? 判決はいかに」で、事の子細はご報告していましたが、1971に発表されたレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)の世界的名曲「天国への階段(Stairway To Heaven)」の盗作疑惑裁判は、無罪で決着しました。

再度、経緯をご紹介しますと……

米ロサンゼルスのバンド「スピリット」のギタリストだった故ランディ・ウルフさんの代理人が起こしたレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジさんに対する訴えから、問題は始まりました。

その訴えの内容は、世界的名曲の「天国への階段」のイントロ・ギターリフ(1971年に発表)が、スピリットの楽曲「トーラス」(1967年)のイントロに酷似しているというものでした。

 

作曲家・アレンジャー目線で見ると

作曲家やアレンジャーの立ち位置で考えると……今回のように、いわゆる「クリシェ」が、裁判所で盗作という判断になってしまうと、今後、「クリシェ」が使えないだけでなく、すべてのポップスの定番手法などもすべて使えなくなってしまうという可能性に怯えなくてはならなくなります。

また、主旋律ではなくイントロ部分が盗作の対象になった! ということも、考えれば恐ろしいことです。

過去より、著作権は「歌もの」の場合、主旋律(歌メロディー)と歌詞だけでした。もちろん、オリジナル発表時の編曲の権利は認められますが、非常に難しい部分となります。

ですから、今回の裁判は、世界中の作曲家・アレンジャーやバンドで曲を作っている人などが大注目していたのです。

野口も非常に心配しながら注目しておりました。

 

『天国への階段』は無罪なり!

BBCニュースは、

アメリカの連邦地裁の陪審は、レッド・ツェッペリンのロバート・プラント氏<とジミー・ペイジ氏>は「トーラス」を聴いていただろうが、「天国への階段」の冒頭と「本質的に似ているわけではない」と判断した。

……と発表しています。※< >内は、こちらで追加しました。

天国への階段は、作詞作曲がジミー・ペイジさんとロバート・プラントさんの共作になっているからです。つまり、訴えられたのはこのお二人なのでした。

ただし、問題の箇所は、イントロのギター部分ですから、ボーカルのロバート・プラントさんは、「おれは知らんぜ!」な感じだったかもしれませんね(笑)。←無罪で終わったので、(笑)の記号も使えますね。

そして、われわれ作曲家は、クリシェは使って良いんだ! という、当たり前の件について、裁判所のお墨付きを貰ったのです。あ~~良かった(笑)。これがOUTなら、もう作曲なんて、できない位の大問題でしたね。

 

「胸いっぱいの愛を」の場合

有名になれば、いろいろケチを付けられたり、痛くもない腹をさぐられたりすることもあるものです。いわゆる有名税というものですね。

今回の裁判で、レッド・ツェッペリンは、過去にもなんどか盗作で訴えられたという記事も出てしまいました。

「胸いっぱいの愛を」(Whole Lotta Love)というレッド・ツェッペリンの代表的なヒットがあります(1969年)。いかにもレッド・ツェッペリンという、彼らの初期の方向性を決定づけた超のつくヒットでした。

それが、マディー・ウォーターズ(Muddy Waters)というブルースの大御所が1963年に発表した「ユー・ニード・ラブ」(You need love) のパクリだと、作者の「ウィリー・ディクスン」から訴えられました。

まずは、「胸いっぱいの愛を」です。

ふ~~っ、今聴いても素晴らしい楽曲ですね。間奏ソロなどのギターのダビングを除けば、3ピースのガリガリなロックです。これが流行らないわけがありませんね。

お次は、マディー・ウォーターズ「ユー・ニード・ラブ」です。

あれ? そんな似ていないぞ!!

マディー・ウォーターズは「シカゴ・ブルースの父」と称される。生涯に6度グラミー賞を受賞し、没後の1987年にはロックの殿堂入りを果たした。

その豊富で深淵な声、豪快なボトルネック・ギター、カリスマ的キャラクターで、ブルースの第一人者のひとりとなった。

ロック界においても、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、ロリー・ギャラガー、ポール・ロジャース、ザ・バンドなど、彼から影響を受けたミュージシャンは多く、その影響力は計り知れない。

(Wikipediaより)

……というように、これまた超のつく大御所です。

……で結果は、レッド・ツェッペリン側の盗作を認める形で、原作者「ウィリー・ディクスン」の名前を「胸いっぱいの愛を」のクレジットに入れることで、示談となりました。

サウンドやリフが、似ていないのは、当然でした。よくよく調べると、歌詞の一部などで「ユー・ニード・ラブ」の歌詞を流用したという事なのです。それじゃあ、リフとかサウンドは問題なかったのですね。似ていないわけです。

このときは、ボーカルのロバート・プラントさんが、ちゃっかり歌詞を流用したのでした。

痛くない腹どころか、身に覚えがあったのでした(汗)。

上記で、ちゃっかり……なんて、書いてしまったのは、ロバート・プラントさんのインタビューに……

ペイジのリフはペイジのリフだ。何よりも先に、まずそれがある。そこで僕は考えるわけだ、『さて、何を歌おうか?』。要は、失敬しちゃうわけだ。今は幸い、払うものは払ったけど。当時はどうするか、随分いろいろ話し合った。

結局、時間も経っている昔の曲だし、影響されているといっても直接ではないから、ということになった…まあ、捕まるとしても、売れたときのことだ。そういうゲームさ。

(Wikipediaより)

というコメントを発見したからです(汗)。バンドのノリで、そういう引用は随分あったのですね。

 

まとめ

まずは、レッド・ツェッペリン『天国への階段』盗作問題は「無罪」で解決して良かったですね。クリシェは自信をもって使ってください。

でも、クリシェの意味は、(使い古された)陳腐な決まり文句ですからね(笑)。

レッド・ツェッペリン『天国への階段』盗作問題のいきさつは、問題はイントロのクリシェ!ジミー・ペイジ『天国への階段』は盗作?判決はいかにでどうぞ。

レッド・ツェッペリンしては『シン・ゴジラ』のBGM ゴジラのテーマ曲は三者三様もどうぞ。

野口 義修

投稿者プロフィール

音楽プロデューサー。
ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。
あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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野口 義修

音楽プロデューサー。

ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。

あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。

ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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