はじめての曲作り!コード進行パターンを使ってメロディーを作る方法
- 2016/11/16
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はじめての作曲だけどメロディーはどうやって作るのがいい? 今まで、そんなご質問をたくさん受けてきました。そんなときは、迷わず「コード進行で作曲」をお勧めしています。
コード進行というと楽器が弾けないからとか……コード理論が分からないから……といってチョット苦手意識をお持ちの方もいらっしゃると思いますがご安心ください。コード進行は、PCソフトやスマホアプリがいくらでもフォローしてくれます。
では早速、「コード進行を使った作曲方法」をご紹介いたします。
WooM(ウーム)!!!!!
目次
そもそもコード進行とは?
コード進行って何? という方もいらっしゃると思いますので、まずはコード進行の意味から解説します。
「コード進行とは、コード(和音)が複数個並んだもの」です。ポップスではよく使われる典型的な進行パターンが数多くあります。
よく見かけるのは、
(1)C – Am – F – G7
(2)C – G – Am – Em – F – C – F – G
……といったパターンですね。
こういったコード進行を鳴らしながら(=聞きながら)……鼻唄でメロディーを歌ったり、楽譜や作曲ソフト上に音を並べていきます。それが、コード進行による作曲です。
コード進行で作曲する際、必ずしもパターンを守る必要はありません。基本は料理と同じで使う音、並べ方、まったく自由です。
コード進行で作曲をするメリット
「コード進行を使って作曲するといいよ」という言葉をよく耳にしたり目にしたりしますよね。ここでは、なぜコード進行を元にメロディーを作ると良いのか? をご紹介します。
コード進行には著作権が無いので、そのまま使ってOK!
コード進行には著作権がありません。ですから、ヒット曲のコード進行をそのまま借用して、その世界の中でメロディーを作れるのです!
音楽の3大要素は、リズム、メロディー、ハーモニーですが、コード進行を借用してきてリズム(テンポ)を決めれば、あとはメロディーを作れば曲ができます。なんだか自分にもできそうに思えてきませんか?
メロディーに使える音がある程度決まってくるので作りやすい
パターン(1)では、C<ドミソ>-Am<ラドミ>-F<ファラド>-G7<ソシレファ>という和音の構成音になっています。
(1)C – Am – F – G7
それぞれのコードの構成音を歌えば、違和感なく歌った音が綺麗に響きますから、何となく曲に聞えるものです! 上記のコード進行パターン(1)を聞きながら、構成音の音を出してみると、違和感なく響くという意味が分かると想います。
実は、ほぼ100%コード進行(C-Am-F-G7)の構成音だけで出来ている名曲中の名曲があります。アメリカを代表する大物シンガーソングライターのデビュー作にして自身のオリジナル作品!! ポールアンカの「ダイアナ」です。
ポールアンカ – ダイアナ
懐かしのサウンドですね。なにしろ発表(=デビュー)は、彼が16歳の時(1957年)。作詞作曲を担当し、いきなりビルボードで1位を記録しました。
コード進行の中の音を選んで歌っている感じですね。あまり上下に動かない、一本調子のメロディーのようですが、そのインパクトは絶大です。さすが、歴史に残る名曲ですね。この音源では、キーはト長調なので、コード進行は「G – Em ー C ー D7」となっています。
初心者なら、コード進行でメロディーを作ろう! というのに最もピッタリな実例です。
コード進行からスケール(音階)を感じ取れれば才能あり!
多くの人は、コード進行を聞くと自然にその背後に流れるスケール(音階)感じます。あなたはどうでしょうか? 次の音源で確認して下さい。
コード進行が流れますから、その背後にスケール(音階)を思い浮かべてみましょう。正しい音程で ♪ドレミファソラシド が歌えるかというチェックです。
4小節のコード進行が鳴り終わったら、すぐに ♪ドレミファソラシド と歌って見て下さい。すぐに正解が流れます!
いかがですか?
合っていれば OK です。あなたにはスケール感があります!!! コード進行を聞きながら、その ♪ドレミファソラシド を中心に音を動かしていけばメロディーが完成します。
スケールを感じながらメロディーを作るのは、跳躍・順次・同音を組み合わせて美しいメロディーを作る でも、「順次」の項で分かりやすく解説しています。ぜひ、参考にしてくださいね。
超簡単!カウンター・ライン作曲術
野口の作曲本でも熱烈に解説しているのが、カウンター・ラインによる作曲です。コード進行の構成音の中の美味しい音をつなげたカウンター・ラインに変化を付けてメロディーとする方法です。
Cadd9 – D7 – F6 – Cadd9
上記のコード進行の構成音! その中に点線で示した「ソーファ#ーファーミ」という半音で動くラインを見付けました。そのラインを元に楽譜の上段のメロディーを考えました。各小節のメロディーの最初の音が「ソーファ#ーファーミ」となっているのにお気づきでしょうか?
これが、カウンター・ラインによる作曲の一例です。
平凡なメロディーでもワンポイント・コードで素敵な響きに!
平々凡々なメロディーを考えたとしても、ワンポイントのコードを付ければあっと驚く響きになることもあります。簡単なコードで作っておいて後でカッコ良いコード進行を探しても良いし、仲間に付けてもらっても良いし……ワンポイントのコードでメロディーがよみがえることもあると覚えておきましょう。
下の楽譜は、童謡「チューリップ」の最後の部分です。きれいだな! の部分。それをコードを変えて何種類も並べました。最初はオリジナル的な童謡的なコードですね。
- C – G – C(オリジナル)
- C – G – A♭M7
- C – G – Am
- C – B♭7 – A♭M7
- Am – E7/G# – C/G
- Bm7(-5) – E7 – Am
だんだん雰囲気が変わってきます。それぞれの理論的なバックグランドは、別コラムで紹介予定のため割愛いたします。まずはメロディーとコードが作り出す世界を楽しんでください。音源は楽譜制作ソフト「FINALE(フィナーレ)」の簡易サウンドです。
ひと言……。
綺麗だな!!!!
コード進行のカッコ良さがメロディーをいっそう光らせる!
曲がいいということは……メロディーがいいということだけではありません。リズムが良かったり、ストリングスのアレンジが良かったり、さまざまな要素がかみ合って……曲がいいとなります。当然、コード進行がカッコいいということも大きな大きな要素となります。
下記のコードは、ポール・マッカートニーが人生で最も好きな曲、影響を受けた曲という『神のみぞ知る』(ビーチボーイズ)のラフなコード進行です。とにかくコード進行の流れが美しいです。
これを作ったビーチボーイズの「ブライアン・ウィルソン」は、ポールと同じ年でベースも作曲も担当するなど共通点が多いのです。ポールにベースという楽器の可能性を教えたのはブライアンでした。二人は仲の良いライバル同士だったのです。ポールは、「この曲を聴かずして音楽を学んだとは言えない!」とまでリスペクトしています。
Aメロディーのコード進行は下記のようです。 /(スラッシュ)は、ベース音の指定を示しています。D/Aなら、Dコードですが、ベースはA(ラ音)を弾く! という意味ですね。このようなコードを「分数コード」と呼びます。
D/A – Bm6 – F#m7 – F#m6/A – E/B -Cdim – E/B – A#m7(-5)/G# – A – E/G# – F#m7 – E
The Beach Boys – God only knows
映像では、ギターを弾きながら歌っているのがブライアンです。ちなみに山下達郎さんの師匠筋にあたるのも、ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンです。何となく感じが分かりますよね。
この楽曲、メロディーの美しさは当然ですがコードの流れがとても美しいです。このコード進行なら自分だって美しいメロディーが出来そうだ! と感じるあなたは大正解! コード進行には著作権がありません。ガンガンこの進行でメロディーを作ってみてください。
まとめ
はじめて作曲される方はコード進行を使って曲を作ってみましょう。あらゆるコード進行を知ることが作曲上達の近道になります。
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