一発で世界を変える飛び道具! ギター・ベース編

このコラムは約7分で読めます

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このコラムでは、古今東西のヒット曲から「一発で世界を変える飛び道具」を使った作曲テクニックやアイデアを紹介します。

コラムのポイントは3つ。

  • 一発飛び道具とは?
  • ギター・ベース系飛び道具 – ジミ編
  • ギター・ベース系飛び道具 – 音色編

作詞家、作曲家、シンガーソングライターを志す皆さん! プロデューサーを志す皆さん! そして、音楽を愛する皆さん!

どうぞ、さまざまな一発で世界を変える飛び道具の世界をお楽しみください。

WooM(ウーム)!!!!!

 

 

一発飛び道具とは?

我々、WooM-Song.Club は、楽曲のフック(美味しい引っかかりのポイント)となりうる仕掛け(特に、インストゥルメンタルの演奏)を「一発飛び道具」と名付けてみました!

今回はギター・ベース編ですが、キーボード編も合わせてご覧ください。

なにか気付きがあれば、ぜひ、ご自分の楽曲にも積極的に応用くださいね!

 

ギター・ベース系飛び道具 – ジミ編

ギターと言えば、神様、ジミ・ヘンドリックス(ジミヘン)を、最初に紹介しなくてはなりません。

彼は、存在そのものが飛び道具! さまざまな伝説や名プレイを残しています。

その中でも、

ギターを歯で弾くプレイ!

これは、どんなフレーズを弾いているか? というよりも、歯で弾いていること自体に注目が集まるパターンです。

ご紹介するのは、アメリカで1967年に行われたモンタレーのポップフェスティバルでの映像です。

もう、歯で弾くは、背面で弾くは……凄まじいけど、カッコいいジミヘンの演奏をどうぞ! 歯でのプレイは1分40秒くらい。背中でのプレイは、3分20秒くらいです。

ジミ・ヘンドリックス – Hey Joe

 

ライブでどう光るか……という意味の一発飛び道具といってもいいですね。

ジミヘンは、「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第1位、2011年の改訂版でも第1位に選ばれて」います。

このランキングの1位から100位がご覧になりたい方は、ローリング・ストーン誌のサイトでご覧になれます。

ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト(2011年度版)

 

ギター・ベース系飛び道具 – 音色編

まずは、ギターにフォーカスして見ていきましょう。

ギターのイントロ、その最初の1音で、世界の音楽ファンの心を鷲掴みにしたのが、ザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones)の「サティスファクションです。

ザ・ローリング・ストーンズ – Satisfaction

「マエストロ Fuzz-Tone」を使用した思い切り歪んだギターリフが曲の要(かなめ)です。

fuzz-tone

リフを作り、演奏しているのは、作曲も担当しているキース・リチャーズ。キースは、ロック界のカリスマですが、超絶技巧のギタリストといったイメージはあまりありません。

しかし、前項のジミヘンが1位に輝いたローリング・ストーン誌のランキングで、堂々の4位に輝いています。

ちなみに、「サティスファクション」自体も、「ローリング・ストーン誌の選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」で第2位に輝いています。

WooM-Song.Club 部長の野口が初めてこの曲を聴いたのは、確か……「9500万人のポピュラーリクエスト」というラジオ番組だったと想います。

今、改めてこの曲を聴くと、当時の思い出が怒濤の勢いで巡ってきます。たった一発のギタートーンが、心の中の風景を瞬時にすべて塗り替えてしまう! そんなパワーがあるのです。

サウンドが、心を射貫くという意味でも、まさに飛び道具ですね。

 

次にいきましょう。

日本人をエレキギターに目覚めさせた、正真正銘の一発飛び道具! 

それがベンチャーズの「パイプライン」のイントロ! ♪テ です。

テケテケ奏法」とか「クロマチック・グリス奏法」とか呼ばれています。一部地方では、♪デンデケデケデケと発音されていたようです。

では、早速ですが、ベンチャーズの「パイプライン」をお聴きください!

ザ・ベンチャーズ – Pipeline

1991年に直木賞を受賞した、芦原すなお作「青春デンデケデケデケ」は、まさに「パイプライン」でエレキに目覚めた香川県の高校生達のお話です。映画化もされました。


おっと、「青春デンデケデケデケ」はオノマトペを使ったタイトルですね。オノマトペのコラムもどうぞ。

オノマトペを使いこなして歌詞のセンスアップ!

このエレキの代名詞ともいえる跳び道具、ベンチャーズの大発明かと思いきや、実は、カバーだったのです。

本家は、「ザ・シャンテイズ」のオリジナル曲なのです。ザ・シャンテイズの動画から、60年代初頭のアメリカの空気感がガンガン伝わってきます。

ザ・シャンテイズ – Pipeline

ギタープレイの振り付け! あふれる笑顔! ヘアスタイル! ファッション! ギターやキーボードには一本のケーブルも刺さっていません!

もちろん、しっかりテケテケしています。アメリカのビルボードチャートで4位を記録している大ヒット曲です。

彼らが、先に来日していれば……(笑)

 

次にいきましょう。

ギター系の飛び道具として想い出すのが、エレキ・シタールです。

イントロに困ったら……エレキ・シタール。多くのアレンジャー達がこの楽器に救われてきました。

・ジョージ・ハリスンも使っていた Coral Electric Sitar

E_Sitar

弦をちょいと弾くだけで、ミョ~~ンとインドテイストの響きがする楽器です。

イントロに使うと、それだけでサウンドの世界感が完成します! ただし、使いすぎに注意!

一般的に、

印象的な音色ほど、飽きられやすい傾向

があります。 

ここでは、70年代のディスコブームに乗って、大ヒットしたザ・スタイリスティックス「ユー・アー・エブリシング」で、その音色を確かめてみましょう。

ザ・スタイリスティックス – You Are Everything

西洋と東洋の融合といった趣のあるイントロですね。まさに、飛び道具でしょう!

 

次は、ベースを見てみましょう。

ベースの飛び道具といえば、やはり「スラップ奏法

一般的に、アメリカのベーシスト、「ラリー・グラハム」がスラップ奏法の開祖と言われています。

まだ、日本でスラップ奏法など、まったく一般的でなかった時代に、ラリー・グラハムの来日ライブを観た友人のミュージシャンが僕にこう教えてくれました。

「ベーシストは黒くて大きい棒のようなもので、弦を叩いていると思ったよ。なにしろ、あんな奏法は見たことも、聴いたこともなかったね! しばらくして、それが親指だと気付いて、ぶっ飛んだよ!」

70年代、この奏法は、チョッパー(奏法)と呼ばれていました。

ラリー・グラハムが、自身の弾き方や何故スラップを生み出したかを語っている動画を御覧ください。1時間以上ありますが、かなり参考になります。

指が痛いけど、それだけの音はするよ」的な事も教えてくれています! すべての楽器、アートに共通する心構えですよね。

ラリー・グラハム – Super Bass Slapping FULL

日本でいち早くスラップ奏法を取入れて、素晴らしい楽曲として発表したのが、「ティンパンアレー」(ベース:後藤次利)でした。

タイトルも、ずばり「チョッパーズ・ブギ」もの凄いグルーブの名演です!

ティン・パン・アレー – チョッパーズ・ブギ(1975年発表

後藤さんは、同年、加藤和彦率いる「サディスティック・ミカ・バンド」のベーシストとなり、イギリス公演では、そのベーステクニックが絶賛されました。当然ですよね。

 

さて、最後は、ポール・マッカートニーです。

ベースをメロディー楽器のように使いこなし、特に、ビートルズ時代は、ベースの新しい世界を開拓し続けてきたポール!

飛び道具系フレーズは、山ほどありますが、ここでは、邦題「嘘つき女」から、ファズ・ベースを紹介しましょう。

基本的に、ファズやディストーションといった歪(ひず)み系の音色は、ベースには不向きと言われていました。

ピッチ感が曖昧になるし、歪んだ強烈な倍音が、全体のコード感を濁らせるからです。

しかし、この楽曲では、ノーマルのベースとファズ・ベースを全編にわたって演奏しています。

使う音域と歪みの割合、そしてフレーズを考えて、絶妙なバランスの、実に、聴き応えのあるベースサウンドになっています。

ザ・ビートルズ – Think for Yourself

イントロからグイグイと聞く人のハートを惹き付けますね。充分、ソロ楽器としても存在感のあるベーストーンです。 

この曲は、ジョージ・ハリスンが作りました。ポール・マッカートニーは、ジョージの楽曲では、特に、張り切ってベースを弾きます。

「サムシング」「ヒヤ・カムズ・ザ・サン」「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」……素晴らしいベースの名演ばかりです。

しかし、ビートルズのエンジニア「ジェフ・エメリック」の著書「ビートルズサウンド 最後の真実」では、ジョージがサムシングにおけるポールの演奏に対し何度も弾き方を指示し、「もっともっとシンプルに演奏してほしい」と繰り返しオーダーしていたそうです。

リハでは、どれだけ派手に、ベースが動いていたのでしょうか?

当時の様子が本にまとめられています。


常識外のレコーディングから、あの新鮮なビートルズサウンドが生まれた! それを、エンジニア本人がキッチリ解説してくれます。

必読! 

 

まとめ

常識に縛られない楽器の考え方で、新しいサウンドが生まれ出る(はず)!

……いろいろチャレンジしましょう。

ウームソング・ドット・クラブ部長の野口から作詞や作曲を学びたい、一緒に楽曲制作をしたいという方は、こちらから気軽にご相談ください!

 

野口 義修

投稿者プロフィール

音楽プロデューサー。
ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。
あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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野口 義修

音楽プロデューサー。

ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。

あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。

ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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