ただ者じゃない作詞家・作曲家……赤い公園・津野米咲

このコラムは約6分で読めます

tsuno_maisa

https://twitter.com/kome_suck?lang=jaより

このコラムでは、「赤い公園」のギターで、作詞作曲を担当する津野米咲(つの・まいさ)さんをご紹介します。なぜ、彼女の作る楽曲は、大物アーティストや番組テーマに採用されるのか?  

米咲さんの曲作りは、攻めの癒やし! 破壊と調和のバランス! 日々、画期的! 

WooM(ウーム)!!!!!

 

赤い公園って?

最近、いろいろなメディアで赤い公園という名前を見かけるようになりました。ファンの皆さんには、「何を今さら寝言言ってるの?」……と叱られてしまいそうですが、ごめんなさい! 調べれば、赤い公園というガールズバンドは、凄く活躍されているのですね。

赤い公園オフィシャルサイトを見ると、

  • 2010年1月結成
  • 2011年10月にはカナダツアー「Next Music from TOKYO vol.3」に参加

……結成の翌年、カナダツアーとは大物の片鱗を見せてくれてますね。

  • 2012年2月12日 ミニ・アルバム「透明なのか黒なのか」
  • 2012年2月15日 ミニ・アルバム「ランドリーで漂白を」

ミニ・アルバムを同年同月に2枚発表。

……結成、2年後のプロデビューもスゴいですね。

  • 2013年8月14日 1st フル・アルバム「公園デビュー」
  • 2014年9月24日 2nd フル・アルバム「猛烈リトミック」

……フル・アルバムを年1枚ペースも、スゴいです。勢いを感じます。

  • 2014年 第56回 輝く!日本レコード大賞「優秀アルバム賞」受賞(猛烈リトミック)

……ただ者ではないですね。曲の良さ、パフォーマンス、サウンド、セールス……すべて満たさないと GET できない大きな賞です。

ガールズバンドらしからぬ圧倒的な演奏力と存在感から、ブレイクが期待されるバンドとして高い評価を受けている。

……と、オフィシャルサイトでは自己分析をしていますが、野口もブレイクを期待しています。
彼女たちの活躍によって、ガールズバンドなんて限定的に言うことは古いよ! バンドに男も女も関係ないよ …… 世の中がそういう空気になれば良いなと想いました。

ここで、1曲聴きたくなりました。

いろいろ聴いて聴いて……これは半端ないと感じさせてくれた楽曲をご紹介しましょう。

赤い公園 – 交信

素晴らしい! この芸術(おんがく)を20代前半の若者たちがやっているとは……嬉しくなりました。

曲の前半部分だけを聴いて、このバンドを理解した気持ちにならないでくださいね! 後半、才気あふれる展開が僕らを宇宙の彼方に連れて行ってくれる! そんな気持ちになります。展開に次ぐ、展開!

宇宙との「交信」の曲と言えば、謎のバンド(クラトゥー)が1970年代初頭にリリースした「コーリング・オキュパンツ」を想い出します。カーペンターが「星空に愛を」というタイトルでカバーしましたが、赤い公園の「交信」と世界感が重なります。

カーペンターズのバージョンで聴いてみましょう。

The Carpenters – Calling Occupants of Interplanetary Craft

 

津野米咲 From Me to You

この曲(交信)を作詞・作曲した津野米咲(つの・まいさ)さん、もの凄い沢山の引き出しを持った作家であることが、この一曲でも十分に分かります。

いろんなアーティストのディレクターたちが、自分の担当しているアーティストと津野さんを掛け合わせたら、どんな化学変化が起きるのだろう! そんな気持ちになるのは分かります。久々に登場した、才能あふるるるる作家です。

 

バリエーションの魅力

赤い公園の楽曲をいくつか聴いてみましょう。

赤い公園 – NOW ON AIR

いわゆる爽やか系の王道ポップス、だけどサウンド作りでは一瞬の隙もなく、イントロからアウトロまで、手間暇かけて創り上げた音のカラフル・ゼリービーンズ・シャワー。でもって、メロディーは可愛くも、美しさもあるのですが、ギターは攻めまくっています。

一般に、ポップスやロックのバンドの場合、ステイのリズム(基本リズムパターン)が出来ると、それでずっと行っちゃうことが多々あるのですが、津野さんは、変幻自在に、すべての拍、すべての小節にアイデアを盛込んでいるのが、ずんずん伝わってきます。

ふつう打ち込みのアレンジャーだと、音色変えて、楽器加えて……重ね重ねで変化を付けるのですが、津野さんは今ある楽器、今ある構成を、いかにカラフルに聞かせるかのアイデアが素晴らしいです。

赤い公園 – 絶対的な関係

骨太のギターリフが面白い! メロディーは、気持ち(椎名)林檎さんを彷彿とさせるロックなラインもありながら、どこか昭和のサーカス団 or 見世物小屋のおどろおどろしさも感じさせてくれます。ちょうど、今様な『少女椿』の世界感を、メロディーのそこかしこに感じるのです。 

そういえば、『少女椿』は、2016年映画化されましたね。原作を描いた漫画家の丸尾末広さんは、伝説の漫画雑誌『ガロ』で活躍されていました。

シンガーソングライターの米津玄師さんといい、今の20代の諸君に、あのガロのテイストが受けているのでしょか? この曲が「NOW ON AIR」と同じ作者の曲とは、一瞬驚きますね。これぞ、津野さんの引き出しの数の多さってことです!

そういえば、赤い公園の「のぞき穴」という楽曲のPVも、昭和な演劇チックのパロディーで『少女椿』の世界感と共通するモノもあるのです。

赤い公園 – のぞき穴

 

モーニング娘。’16への楽曲提供

津野さんは、ハロプロ(ハロー!プロジェクト)の大ファンだそうで……作品オーダーが舞い込んだのが、なんとモーニング娘。’16からでした。

とにかく研究心120%の素晴らしい楽曲作りです。つんく♂さんからの作品オーダーなのでしょうか?

初期のモー娘。に原点回帰している! といった趣(おもむき)の、底抜けに明るくダンサブルな作品に仕上げています。メロディーも非常に良いです。プロフェッショナル作家の書いた正統派のメロディー! です。

モーニング娘。’16 – 泡沫サタデーナイト!

津野さんは、本当にハロプロが好きなんだな! それがひしひしと伝わってきます。ハロプロ・ファンの面目躍如(めんもくやくじょ)ですね。リズムは、彼女の専門であるギターの16ビート・カッティングが肝です。とにかくカッコ良いです。

モー娘。の「LOVEマシーン」のヒットは1999年頃だったでしょうか? 同じ頃、すごく流行っていたブラック・ビスケッツの「Timing(タイミング)」も、津野さんは研究したのじゃないでしょうか? いっぱい聴いて、アノ時代を肌で感じる! そんな感じですね。

実は、「タイミング」は野口がこの20年で一番好きな曲です。

津野さんは、当時8歳くらいかな? きっとテレビ(ウリナリ)見ながら踊ったんじゃないかと勝手に想像します。

ご参考に、ブラック・ビスケッツの「タイミング」です。

ブラック・ビスケッツ – タイミング

 

SMAPへの楽曲提供

SMAP50枚目シングルという「Joy!!」も、津野さんが作詞作曲を手掛けています。サビがキャッチーな軽いサンバ風です。サンバの陽気なメロディーもいけるのですね。ますます幅の広さが光ります。歌詞がまた良い!

驚くなかれ、楽曲提供したとき津野さん21か22歳。これは素晴らしいです。GJ!

1番のみ歌詞を引用いたします。韻を畳みかけて、勢いを付け、「無駄なことを 一緒にしようよ」なんてグッときますね。

・Joy!!(歌:SMAP 作詞:津野米咲 作曲:津野米咲)

Yeah

生真面目さんは ごくろうさん
平日の顔を 土日まで引きずってる
ギブアップすらも できそこなってる

夜は付き合い ためらい 呑めない
だらけで渦巻く 誘惑 泣く泣く
矛盾に寄り添う 逃げそう 駄目そう
自分が嫌になっちゃったなら

無駄なことを 一緒にしようよ
忘れかけてた 魔法とは
つまり Joy!! Joy!!

あの頃の僕らを
思い出せ出せ 勿体ぶんな
今すぐ Joy!! Joy!!

 

遠藤舞のシングル「MUJINA

遠藤舞さんのシングル「MUJINA」は、赤い公園がbackをつとめているので、よりノビノビと楽曲提供(作詞作曲)している感じです。スゴく良い曲! サビがグイグイ来ます。

でも、よく聴くとコード進行など、心地よいだけでなく、メロディーにぶつけてアーティスティックな雰囲気やロック感をブーストしているのはさすがです。ポップながら攻めの楽曲です。

遠藤舞 – MUJINA

 

津野さん、作家としての魅力

音楽性の幅の広さ、徹底的にこだわる音作り。あえて常識を捨てて、一ひねりするチャレンジ精神、サウンドの随所に光る遊び心! さすが音楽オタクと名乗るだけはありますね。本当に魅力的な音を、メロディーを、言葉を生み出す人だと思いました。

そして、アンバランスなバランス感が素晴らしいです。

だから、まだまだ、これが赤い公園だサウンドなどあるはずもなく、トライした作風すべてが、その時点での赤い公園であり、次の瞬間から、速攻変身が始まっているのかもしれません。

作家としての津野さんは、久々、日本に登場した、70―80年代を彷彿とさせるプロフェッショナル作曲家の気概(たましい)をもったアーティスト&作家だと感じました。

筒美京平さんや浜口庫之助さん、林哲司さん、……が、日々音楽の実験と洋楽の研究に明け暮れた、素晴らしい時代! 作家、それぞれが光り、魂を削って音楽を書いていた頃。アノ時代に津野さんがいても、ぜんぜんおかしくない! 

いろいろなアーティストのプロデューサーさんたちが、ぜひ、津野さんとコラボレーションしたいという気持ち、凄く分かります。

そして、きっと、ここ2~3年で、また、数段の成長を遂げることでしょう。期待しています。

 

まとめ

津野米咲さん、ただ者じゃない。攻めの癒やしのバランス! 破壊と調和のバランス! が素晴らしい! 次も 画期的な一曲を聴かせてくださいね!

作詞作曲を学びませんか?ウームソング・ドット・クラブの会員サービスはこちら

スポンサーリンク


野口 義修

投稿者プロフィール

音楽プロデューサー。
ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。
あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

メンバーシップ

運営者情報

yoshinobu_noguchi_300_300

野口 義修

音楽プロデューサー。

ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。

あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。

ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

詳細プロフィール

feedly

follow us in feedly
ページ上部へ戻る