冗談からコマ!手抜きわさビーフにみる発想力の鍛え方
- 2016/7/26
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このコラムは約5分で読めますが手抜きではなくしっかり味がついています
このコラムでは、「発想力を磨け」と題して、発想力の鍛え方、物の見方のヒントをご紹介します。
作詞も作曲も発想が命です。今回は、新しい発想に「冗談の力」は欠かせないというテーマでお送りします。
作詞にも作曲にも使える発想力を磨いていきましょう!
冗談からコマ! ってあるんですね!
WooM(ウーム)!!!!!
目次
発想力を鍛えるには?
発想を鍛えるには、まず、非日常なものに対する好奇心を常に持っていることが大事です。
日常を常識と考えれば。非日常は非常識! ここで言う非常識とは、日常の殻に閉じこもった知性や感性を打ち破る力です。
我が恩師、作編曲家の林雅諺先生の言葉に「(音楽家たる者)非日常を大切にせよ!」があります。
まさに、クリエイティブに人生を捧げる者は、「内なる常識の壁をぶち壊すことから、始めよう」と言うわけですね。
さて、非日常を極めていくと……日常こそ非日常の究極の姿であることに気が付くのです。非日常の集合体こそ、日常だと分かるのです。
そんな観点で今回も発想力を鍛えるお話をしたいと思います。
手抜き商品に驚き!!
家の近所のコンビニ「ロ◯ソン」で、おもしろいお菓子を発見しました! 興味本位で買って家に置いておいたのですが……知らないうちに娘が完食していました(涙)。
その名も「ポテトスティック 手抜き わさビーフ」
このダルダル感満載のイラスト!!
商品名に「手抜き」の文字!!
手抜きのため、味付けしておりませんという説明文!!
イラストはイメージです。……という言い訳!!
……たまりません。
わさビーフとは
手抜きわさビーフを語るにあたり、まずは、わさビーフとは何者であるかご説明が必要です。そうなの? 野口も手抜きで……ここは Wikipedia さんに教えて貰う事にしました。
わさビーフは山芳製菓(やまよし・せいか)が製造販売するポテトチップスである。1987年から発売されている、同社の看板商品である。
一般的な日本人の食の観点からは一見合わないように思えるワサビ味とビーフ味をブレンドした異色の製品であるが、イメージとは裏腹に互いの風味が調和しており、人気を得ている。濃厚なビーフ味と程よい辛さのわさび味の組み合わせは、「つんピリ」と表現される。
パッケージに描かれた牛のキャラクターの名前は「わしゃビーフ」。ツイッターでキャラクター改名キャンペーンを行い、2015年6月に新名称が「わさっち」に決定した。
この製品の CM に「新世紀ヤマヨシツンピリ大音頭」というものがある。作詞・作編曲は近藤浩章。「♪ツンピリ ツンピリ リン…♪」という独特な節が特徴で、一度聞くと忘れられないという人も多い。
Wikipedia より手抜き引用
エイプリルフールが発売のきっかけ
どうもこの商品は、2016年の4月1日、同社のエイプリルフール企画、冗談企画(下図)だったようです。
エイプリルフールの架空の「新商品」として、ネットでお遊び的に発表していたのですが、反響が大きかったため、千葉市で行われたイベント「ニコニコ超会議」で限定販売されたそうです。
しかしそれが、ヒョウタンからコマ!! 約三ヶ月後、リアルに全国販売になりました。
同社の主力商品を冗談にしてしまい……しかも、それを、リアルに発売してしまう!
この会社の懐の深さというか、センスの良さに脱毛です。いや、脱帽です。
冗談からコマ!
野口は上のフォトにあった、「エイプリルフールネタがまたまたホントに」に気が付きました。
調べてみると……
2014年のエイプリルフールのネタとして考案された「わさび抜きわさビーフ」……その反響の大きさから、同じ年の11月に商品として発売されていました。やはり…
エイプリルフールという、非日常! そりゃそうですよね、1年に1日だから、かなりの非日常です。それを「ファンの声を味方にして」商品化! つまり日常化してしまうというアイデア! この山芳製菓さん、かなりのやり手と想いました。
わさび抜きなのに、わさビーフ! やられました。
この流れを……ヒョウタンからコマならぬ、冗談からコマと名付けました。
ツイッターなら遊べる商品企画
上のフォトをじっくり見ると、@yamayoshiseika の文字を見付けました。ははぁん! 山芳製菓さんは、商品企画や商品プロモーションなど、ツイッターを上手く使って、楽しく展開するという手法で攻めているのだと分かりました。
早速、野口(野口義修 @NOGU_YOSHINOBU)もフォローさせて頂きました。皆さんも、山芳製菓さんと、ついでに野口のフォローもよろしくお願いいたします。
- 山芳製菓 @yamayoshiseika
- 野口義修 @NOGU_YOSHINOBU
さて、ツイッターなら遊べる! と書きましたが、結構センスのいい会社は、ツイッターの担当者が、「中の人」と呼ばれて、案外、気楽に(気楽風に?)遊んで(遊んでいるテイで?)楽しくツイートしています。そういう時代なのですね!
エイプリルフール企画もそういったツイッターならではの冗談企画でした。
作詞家も作曲家も、ツイッターで、「中の人」の自分! あるいは自分の中の「中の人」を、上手く活用して、セルフ・プロモーションしても良いのですよね。
シャープさんも遊んでいる
シャープ株式会社の中の人 @SHARP_JP は、エイプリルフール企画の「わさび抜きわさビーフ」のツイートを見て、山芳製菓さんに対して、下記のツイートをしました。
わさび抜きわさビーフが商品化された暁には、消えたわさびの代わりに、お茶プレッソで挽いた抹茶をかけさせてください… @yamayoshiseika さん。
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2014年5月22日
なんと、エイプリルフール企画が本当になり……わさび抜きわさビーフがリアルに商品化されたので……
山芳製菓さんから、シャープさんに大量の新発売「わさび抜きわさビーフ」が贈られたそうです。
ネタのようなツイートが、半年後に現実となって自分の前に立ちはだかる。そんな経験、みなさんおありですか。 pic.twitter.com/UCWOmirIbr
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2014年11月26日
まさか本当に商品化され、そしてこれほどたくさん送りつけられるなんて、半年前の私には想像できなかった。 pic.twitter.com/eh8CwxT8YQ
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2014年11月26日
……そして、約束どおり、シャープさんは、猛省しながら、「わさび抜きわさビーフ」に自社のお茶PRESSO(プレッソ)でひいた緑茶をかけて食べたそうです。
シャープさん、しっかり自社の宣伝もしていますね(笑)。
わさビーフからわさびを抜く。そして消えたわさびの代わりに、挽いた茶葉をかける。にわかには信じられない山芳製菓 @yamayoshiseika さんの快挙と、お茶味を足すという、倒錯した行為に頭がくらくらしてきた。 pic.twitter.com/wZmf7f1NWo
— SHARP シャープ株式会社 (@SHARP_JP) 2014年11月26日
まさに冗談からコマ!
こんな遊びのようなプロモーションが、ツイッターやネットの世界で日々飛び交っていると想うと、自分にも冗談からコマ! があっても不思議ではないなぁと実感しています。
一粒でなんども美味しい企画
下図のように、手抜きで色が塗れなかったイラストをつかって、山芳製菓さんはしっかりとぬり絵のコンテストを始めました!
この多層に広がるアイデアは、我々作家こそ見習うべきですよね。
山芳製菓さん、中の人……素晴らしいです。
このウームソング・ドット・クラブ……の中の人は、わたくし野口義修 @NOGU_YOSHINOBU です。
手抜きわさビーフキャンペーン
字が手抜きなので、「ぬりえほせんか?」に見えます。
塗り絵 干します。非日常(笑)。
まとめ
基本のアイデア(発想)が良ければ、ずんずんとそのアイデアは幅広く、奥深く広がっていきます。そして、基本のアイデアは、案外、冗談からコマで生まれるのです!
さあ、発想を広げよう!
そして、手抜きわさビーフを買って、ぬり絵をしよう!
※手抜きわさビーフは、全国のローソン、ポプラで販売です!
お茶の好きなあなた……手抜きわさビーフをお茶味で食べたいあなたにはこれ……
コメント
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コメント (1)
この記事、凄く楽しかったです。
この会社の遊び心が見れ、シャープさんまで、それに楽しく答えてみえる。
こ〜んな楽しいやり取りはないですね。
がむしゃらに頑張って机に向かって歌詞を書くでは無く、いろんな物を見に出かけ、楽しい話し困った話に耳を傾け、自分がどう感じるか、心で書けると嬉しいです。
さっき、映画、はじまりのうたを借りてきました。
心に感じるものを沢山見たいです。