五十音は作詞のコードだ!

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このコラムでは、作詞の基礎として、小学校の頃にもどって、あいうえお(五十音表)や「いろは歌」について、WooM-Song.club 流に面白く解説します。 

皆さんも、言葉の響きにこだわって、作詞をしてみませんか?

コラムのポイントは3つです。

  • 五十音は作詞のコード
  • 五十音の歌とは
  • 響きの個性を “行” と “段” で見ていこう

作詞家、作曲家、シンガーソングライターを志す皆さん! プロデューサーを志す皆さん! そして、音楽を愛する皆さん!

どうぞ、五十音の面白さを再確認してください。

WooM(ウーム)!!!!!

 

 

五十音は作詞のコード

これから、作詞家として言葉を武器にするのなら、今一度、原点に立ち返ってみませんか?

で、今回は「五十音表」です。

原点過ぎでしょう(笑)とツッコミも聞えますが、いい意味で気分は小学生! 早速、調べていきましょう。

五十音を辞書で調べてみると……

五〇の音からなる日本語の基本的な音節の総称。仮名で表記する。

「─順」◇時代により実際の音節数は異なり、現代では「ん」を除き清音は四四となります。

(明鏡国語辞典より)

実際は、44音なのですね。

しかし、これに、

  • 濁音と半濁音「がざだばぱ」の各行
  • 清音、濁音の拗音「きゃきゅきょ
  • 長音「
  • 促音「
  • 撥音「

などを加えると、日本語の発音総数は、100種類を超えるそうです。

五十音が素晴らしいのは、日本語の母音「あいうえお」の五種類に、

かさたなはまやらわ(k、s、t、n、h、m、y、r、w)という子音を組み合わせて、とても美しい形でまとめられているという点です。

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横の段(ア段、イ段、ウ段、エ段、オ段)には、母音の特徴を共有する音が並んでいますね。

縦の行には、それぞれの子音の特徴を共有する言葉が、しかも、アイウエオという順番で規則正しく並んでいます。

「き」は「K」という子音の特徴と「イ」という母音の特徴を併せ持っているわけです。

つまり、

き=K+イ

という足し算が成り立つのですね。

詳しくは、後述しますが、

「き」には、破裂音(爆発音)であるカ行の特徴(強さ、切れ味、攻撃的)と「イ」という母音の持つ特徴(鋭さ、まっすぐさ、クールさ)が両方とも備わっているのです。

この辺りの理路整然とした構築が、作曲家的に見ると、コード(和音)と非常に似ている気がするのです。

コードで言えば、Cm(シー・マイナー)は、C(ド)という根音とミのフラットという短三度の音が合わさった和音で、ドの持つ意味合いとマイナーという意味合いの両方を併せ持って響きます。

皆さんも一度、五十音表を音楽的な感性で見直してみませんか。

 

五十音の歌とは

とても大切な五十音を、キチンと教えようと、偉大な詩人が歌にしてくれました。

明治18年生まれの「北原白秋」さん

「ゆりかごのうた」「からたちの花」「この道」などの童謡を書いた大先輩です。

放送部、アナウンサー、劇団などでも、この歌を発声練習の教材として朗読することがあるそうです。

特に、滑舌の練習に最適なんだとか。

五十音 – 北原白秋

水馬(めんぼ)赤(か)いな。ア、イ、ウ、エ、オ
浮藻(きも)に小蝦(こび)もよいでる。

柿の木(かき)、栗の木(りの)。カ、キ、ク、ケ、コ
啄木鳥(つつ)、つ、枯(れ)れ

大角豆(ささげ)に酢()をかけ、サ、シ、ス、セ、ソ
の魚(うお)浅瀬(あさせ)で刺(た。

立(ましょ喇叭(らっぱ)タ、チ、ツ、テ、ト
トテトテタッタと飛()び立(った

蛞蝓(めくじ)ろ、ナ、ニ、ヌ、ネ、ノ
納戸(んど)にぬめってなにねばる。

鳩(と)ぽっぽろ、ハ、ヒ、フ、ヘ、ホ
日向(なた)のお部屋(や)にゃ笛(え)を吹()く。

蝸牛(い)螺旋巻(ねじき)、マ、ミ、ム、メ、モ
梅の実()落ちて見(い。

焼栗(きぐり)、で栗(ぐり)、ヤ、イ、ユ、エ、ヨ
山田(まだ)に灯(ひ)のつく宵(い)の家。

雷鳥(いちょう)は寒かラ、リ、ル、レ、ロ
蓮花(んげ)が咲いた、瑠璃(るり)の鳥(と)。

い、い、っしょい。ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ
植木屋(うゑきや)、井戸換へ(どが)、祭だ。

何度も読んでいるうちに、各ブロックの響きの特徴に気づくはずです。

カ行の切れのよさ! サ行の透明感! ナ行のぬめり感(笑)それこそ、前記した子音の特徴感です。

五十音って素敵だね!

と感じずにはいられません。

作詞家を志す皆さん的に考えるなら、五十音をキチンと伝えようとした白秋先生の想い! そして、五十音を余すところなく生かし切った白秋先生の言葉のセンスとテクニック!

これを学ばない手はありません。

もちろん、日本語に必要な言葉達を五十音にまとめ上げた、遠い昔の先達(せんだつ)にも感謝の思いを伝えたくなります。

 

響きの個性を “行” と “段” で見ていこう

音(おん)とイメージの関係性は、別のコラムで詳しくまとめる予定ですが、ここでは、皆さんの直感もお借りしながら、五十音表の各行と各段のインプレッション(印象)を書いてみたいと想います。

  • ア段……明るい響き、楽しさ、開放的、天然
  • イ段……意志、鋭さ、まっすぐ、攻撃的、透明
  • ウ段……閉鎖的、曇った感じ、鬱、
  • エ段……下品、戸惑い、遠慮、つぶれたイメージ
  • オ段……力強さ、重さ、威圧感、意思の強さ
  • カ行……堅さ、攻撃的、尖った鋭さ
  • サ行……澄んだ響き、透明感、乾燥
  • タ行……硬質、大きく鋭い、勢い
  • ナ行……まろやか、粘り気、けだるさ 
  • ハ行……空気感、笑い声、感情
  • マ行……まろやか、優しさ、信頼 
  • ヤ行……優しさ、安らぎ、気品
  • ラ行……弾む、リズム、楽しさ、明るさ
  • ワ行……楽しさ、驚き、喜び

これらは、筆者野口の個人的な感覚です。

できれば、皆さんの感覚をコメント欄からお聞かせくださいね

上記の知識は、ネーミング、コピーライティング、あるいは、子どもの名付けなどでとても重要になってきますし、当然、作詞でも非常に役立ちます!!

作詞のフレーズを考えるときに、意味だけでなく、五十音のキャラクターも考えながら言葉をチョイスしていくと、皆さんの歌詞に気品や個性が生まれてくのです!

では、最後に、はっぴいえんどの「愛餓を」(あいうえを)

作詞が松本隆さん。作曲と歌は、大滝詠一さん。 

「五十音」を味わってくださいね!

はっぴいえんど – 愛餓を(あいうえを)

 

まとめ

「五十音って素敵だね! ん!」

……これに尽きますね。

ウームソング・ドット・クラブ部長の野口から作詞や作曲を学びたい、一緒に楽曲制作をしたいという方は、こちらから気軽にご相談ください!

 

野口 義修

投稿者プロフィール

音楽プロデューサー。
ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。
あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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コメント

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  • コメント (3)

    • マルヤマ カズヨ
    • 2016年 7月 15日

    前まで、歌詞は書きたいことがあって、自分の一番言いたいことを一番言いたい言葉で書くものだと思っていました。

    先生の本を読んだりして、韻を踏むとか、ぱ行、ば行は破裂音で、フレーズの頭に入れるとインパクトがあるとか勉強しました。

    作文では無いので、音が大切なことが分かりましたが、だとすると、歌詞を書く時、最初は思いをバーっと書き出し、後から韻を踏む言葉に置き換えたり、インパクトがあるようにすれば良いのでしょうか?

    プロの方は、最初からそれも考えながら歌詞を書いて行かれるのでしょうか?
    とても疑問に思っています。

    • 野口 義修
      • 野口 義修
      • 2016年 7月 15日

      最初は 伝えたい思いがあって 言葉を選びますよね。 でも、もっと伝わる表現はないか? もっと相手の心が響く言葉はないか? と考えるのです。 それは、小説でも短歌や俳句でも同じですね。 いわゆる推敲です。
      もちろん、最高の言葉が、ふっと降りてくることもあります。 それは逃さないように、大切にしてくださいね。

        • マルヤマ カズヨ
        • 2016年 7月 15日

        ありがとうございます。

        やってみます。

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野口 義修

音楽プロデューサー。

ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。

あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。

ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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