和訳で読み解くビートルズ「ヘイ・ジュード」歌詞の意味

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heyjude

このコラムでは、ビートルズの三大バラードの1曲に押す人も多い「ヘイ ジュード」(HEY JUDE)の和訳、その本当の意味、ポール・マッカートニーの想いなどを、ご紹介します。

作詞家を目指す人にも、英語を学びたい人にも……役立つ情報満載でお送りします。

「ヘイ・ジュード」(HEY JUDE)は、ポール・マッカートニーとジョン・レノンとの友情の証の名曲。

WooM(ウーム)!!!!!

 

ビートルズと「ヘイ・ジュード」

「ヘイ・ジュード」は、1968年、ビートルズが自分たちで立ち上げたアップル・レコードの第一弾シングルとして発表されました。つまり、かなりリキの入った勝負曲だったのです。

実際、ビートルズの楽曲の中でも非常に人気が高く、2012年のロンドン・オリンピック開会式でも、ポール・マッカートニーによって歌われ、その映像は世界中に流れました。

……詳しくは、後述しますので、まずは動画をご覧下さい。最初は、音のみで味わってください。

The Beales – Hey Jude

 

歌詞「ヘイ・ジュード」の和訳

訳詞、和訳は、野口が出来るだけ丁寧に行いました。

・ヘイ・ジュード(作詞作曲:レノン・マッカートニー)

1番

Hey Jude, don’t make it bad
Take a sad song and make it better
Remember to let her into your heart
Then you can start to make it better

Hey Jude, don’t be afraid
You were made to go out and get her
The minute you let her under your skin
Then you begin to make it better

And anytime you feel the pain, hey Jude, refrain
Don’t carry the world upon your shoulders
For well you know that it’s a fool who plays it cool
By making his world a little colder
Na na na na na na na na na

なあ、ジュ―ド 悪いほうに考えないで
悲しい歌だって、明るく歌おうよ
彼女を、君のハートに受け入れてあげてさ
そうすれば、きっと上手く行くからさ

なあ、ジュ―ド 怖がらないで
君は彼女と付き合って、彼女を君自身のモノにするようになっているのさ
君が彼女を夢中にさせたとき
君は、もっと上手くやれるさ

苦しいときはいつでも、ジュード、こらえるんだ!
一人で世界を背負い込まないで!
自分の世界をちょっと冷たく見せて、
クールを演じるヤツなんて馬鹿ってわかるだろ。
ナナナ~~~~

2番

Hey Jude, don’t let me down
You have found her, now go and get her
Remember to let her into your heart
Then you can start to make it better

So let it out and let it in, hey Jude, begin
You’re waiting for someone to perform with
And don’t you know that it’s just you, hey Jude, you’ll do
The movement you need is on your shoulder
Na na na na na na na na na yeah

ジュード、ガッカリさせないでおくれ
君は彼女を見付けたんだ、今こそ彼女を手に入れろ!
彼女を、君のハートに受け入れてあげてさ
そうすれば、きっと上手く行くからさ

だから、さらけ出して、受け止めるんだ、ジュード、始めよう!
君は一緒に行動してくれる『誰か』を待っているんだね。
その誰かは君自身なんだよ、ジュード、君ならやるだろう。
君が必要な行動は、君自身にかかっているんだ。
ナナナ~~~~

3番

Hey Jude, don’t make it bad
Take a sad song and make it better
Remember to let her under your skin
Then you’ll※ begin to make it
Better better better better better better, oh

Na na na na na na, na na na, hey Jude

なあ、ジュ―ド 悪いほうに考えないで
悲しい歌だって、明るく歌おうよ
彼女を、君のハートに受け入れてあげてさ
そうすれば、きっと上手く行くからさ

ナナ~~~~ ヘイジュード

 

「ヘイ・ジュード」はジョン・レノンの息子に捧げた歌

この歌は、ジョン・レノンが離婚する際、その息子のジュリアン・レノンを慰め、勇気づけるためにポール・マッカートニーが作詞も作曲も単独で行いました。

表記は、「作詞作曲:レノン・マッカートニー」となっていますが、和訳で読み解くビートルズ「Let It Be」歌詞の意味でもお話ししたように、ジョンとポールどちらが作っても、「レノン・マッカートニー」で発表しようという男の誓いがあったのです。

 

ジョン・レノンの離婚

ジョンは、1962年8月23日、シンシア・パウエルと結婚しました。1962年と言えば、ビートルズが英国でデビューを果たした年ですね。翌年4月8日に長男ジュリアン・レノンが誕生しました。

計算をすると、いわば「おめでた婚だったのですね。

ご承知のように、ジョン・レノンは両親からの愛情を知らずに育ってきています。父親としてジュリアンにどう接していいか分からなかったようです。

ですから、ジョン・レノンはポール・マッカートニーに……

「どうしたらジュリアンが喜ぶか教えてくれないか? やり方が分からないんだ。」

……と聞いていたようです。

ポールは、小さい頃から父親よりジャズを仕込まれ、随分影響を受けています。ジョンよりは、父親としての立ち振る舞いも分かっていたのですね。

だから、時間があるときはしばしばジョンの家に行き、ジュリアンと遊んでやったそうです。ポールって、本当にいい奴ですね!!

ジュリアンも、

「ポールはかなり頻繁に遊んでくれたよ、父さんよりね。僕らはいい友人だった。その頃の僕とポールがいっしょに遊んでいる写真は、父さんとの写真よりもはるかに多い」

と語っています。

そんな、ポールとジュリアンの関係を考えないと……このヘイ・ジュードの歌詞は理解できません。

この曲は、前記したように、ジュリアン・レノン5歳の時、ジョンとシンシアの離婚に傷付くジュリアンを慰めようと作られた歌です。

ポールは、無二の親友であり、生涯の創作パートナー、ジョン・レノンの息子「ジュリアン」を本当に可愛がり、心配していたのです。その歌詞の根底には、そんなポール・マッカートニーの想いがあるのです。

・仲良しのポールとジュリアン

paul_julian1

・成長したジュリアン

julian

 

ジュリアンもミュージシャン

ジュリアンは、21歳の時に大物プロデューサー「フィル・ラモーン」のプロデュースで、デビューしています(アルバム『ヴァロッテ』)。

1984年に発表された、このアルバムは、ジョンの雰囲気100万倍といった(ビートルズ・ファンにはたまらない)内容の名盤でした。ジョンの死後、4年してのデビューでしたから……ジョンの魂が蘇ったという想いを持ったファンも多かったのです。

Julian Lennon – Valotte

曲の頭から、ジョン・レノンを彷彿とさせる声、メロディー、ニュアンスにグッときた方も多いでしょうね。

フィル・ラモーンは、ビリー・ジョエルをプロデュースしたことでも知られるプロデューサーです。ビリー・ジョエルは当然ですが、フィル・ラモーン自身もビートルズの大ファンです。

このヴァロッテを聞くと……ジュリアンのみずみずしい感性は当然ですが、ジョン・レノンの息子だなぁという世界感、そして、サビなどビリー・ジョエルっぽいのメロディー運びも感じられます。

しかし、デカすぎるオヤジの影と自分が作り出すサウンド……などの重圧にジュリアンが相当苦しんだのは想像に難くありませんね。

 

「ヘイ・ジュード」の重要なフレーズ

1番

Hey Jude, don’t make it bad
Take a sad song and make it better
Remember to let her into your heart
Then you can start to make it better

Hey Jude, don’t be afraid
You were made to go out and get her
The minute you let her under your skin
Then you begin to make it better

And anytime you feel the pain, hey Jude, refrain
Don’t carry the world upon your shoulders
For well you know that it’s a fool who plays it cool
By making his world a little colder
Na na na na na na na na na

なあ、ジュ―ド 悪いほうに考えないで
悲しい歌だって、明るく歌おうよ
彼女を、君のハートに受け入れてあげてさ
そうすれば、きっと上手く行くからさ

なあ、ジュ―ド 怖がらないで
君は彼女と付き合って、彼女を君自身のモノにするようになっているのさ
君が彼女を夢中にさせたとき
君は、もっと上手くやれるさ

苦しいときはいつでも、ジュード、こらえるんだ!
一人で世界を背負い込まないで!
自分の世界をちょっと冷たく見せて、
クールを演じるヤツなんて馬鹿ってわかるだろ。
ナナナ~~~~

2番

Hey Jude, don’t let me down
You have found her, now go and get her
Remember to let her into your heart
Then you can start to make it better

So let it out and let it in, hey Jude, begin
You’re waiting for someone to perform with
And don’t you know that it’s just you, hey Jude, you’ll do
The movement you need is on your shoulder
Na na na na na na na na na yeah

ジュード、ガッカリさせないでおくれ
君は彼女を見付けたんだ、今こそ彼女を手に入れろ!
彼女を、君のハートに受け入れてあげてさ
そうすれば、きっと上手く行くからさ

だから、さらけ出して、受け止めるんだ、ジュード、始めよう!
君は一緒に行動してくれる『誰か』を待っているんだね。
その誰かは君自身なんだよ、ジュード、君ならやるだろう。
君が必要な行動は、君自身にかかっているんだ。
ナナナ~~~~

3番

Hey Jude, don’t make it bad
Take a sad song and make it better
Remember to let her under your skin
Then you’ll begin to make it
Better better better better better better, oh

Na na na na na na, na na na, hey Jude

なあ、ジュ―ド 悪いほうに考えないで
悲しい歌だって、明るく歌おうよ
彼女を、君のハートに受け入れてあげてさ
そうすれば、きっと上手く行くからさ

ナナ~~~~ ヘイジュード

 Hey Jude

ジュードは、もともと「ジュリアン」と歌われるべき部分です。ですよね! でも、響きやリズムがメロディーに合わないので……「ジュード」と変えたそうです。

しかし、「Jude」には、聖書のユダという意味や、ユダヤ人という意味などがあるため、各方面で物議を醸したそうです(ポールには、そういった想いは一切ありませんでした)。

don’t make it bad

「it」は、ジョン・レノンの離婚をさすと解釈できますね。

go out

付き合う。これを「外出して」と訳している資料もありますが、「付き合う」の方がピンときます。

緻密な押韻(おういん=韻を踏むこと)

上記の歌詞で緑色の部分は、韻を踏んでいるところです。その韻が、意味だけでなく、響きの美しさやリズムの軽やかさにつながっていることも要チェックです。

bad sad  heart start  afraid made  get her better  skin begin……と韻を踏んでいるのが分かりますね。ここを意識して歌うことが重要です。

The movement you need is on your shoulder

この1行は、ポールが一番悩んだ部分だそうです。そこでジョン・レノンに相談をしたら、「ここが一番良いところじゃないか!」と即座に OK を出したそうです。ポールは安心して、このフレーズを使ったのでした。

Na na na na na na na na na

昔、ヘイジュードを初めて聞いたとき、この部分を ♪ダダダダダダ……と聞いてしまいました。そんな方いませんか? ダダダの方が、インパクトもあるし、疑いもしませんでしたが……ポールのオリジナル直筆の歌詞カードにも、Na na na……とあるそうです。

上記動画で2分59秒、ピアノを間違えたポールが、「F●cking hell!!(クソったれ!!)」とヤバい言葉を叫んでいます。ほとんど聞こえないくらいの叫びなので、面白がってそのまま OK にしてしまったそうです。日本じゃあり得ませんね。

 

ヘイ・ジュードはビートルズの中で最も評価されている曲

ヘイ・ジュードは、アメリカで最も権威のある音楽雑誌「ローリング・ストーン誌」の発表した楽曲ランキングで、8位にランキングされています。

3位は、「イマジン」です……。ビートルズとしては、ヘイ・ジュードが最も評価されているのですね。

ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング
1 Like A Rolling Stone   Bob Dylan
2 Satisfaction   Rolling Stones
3 Imagine   John Lennon
4 What’s Going On   Marvin Gaye
5 Respect   Aretha Franklin
6 Good Vibrations   Beach Boys
7 Johnny B. Goode   Chuck Berry
8 Hey Jude   Beatles
9 Smells Like Teen Spirit  Nirvana
10 What’d I Say   Ray Charles

 

ヘイ・ジュードのレコーディング用楽譜をジュリアンが落札

1996年に、ロンドンで「ヘイ・ジュード」のレコーディング用楽譜類譜がオークションに出された際、「ポールが僕のために作ってくれた曲だから」とジュリアンが2万5千ポンドで落札している。

Wikipedia より

……2万5千ポンドというと当時で500万円ほどです。ジュリアンのポールへの感謝の気持ちが伝わってきますね。

 

あらためてヘイ・ジュードを聴いてみよう

さて、歌詞の主人公ともいうべきジュリアン・レノンも意識しながら、「ヘイ・ジュード」の歌詞を解説してきました。

解説を通して、ポールの人柄の良さ、優しさが溢れてくる名曲であることがよくお分かりいただけたかと思います。

ここで、ヘイ・ジュードをライブで聞いてみましょう。2004年の映像ですので、ポールが62歳の頃のライブだと思います。

Paul McCartney – Hey Jude(Live Glastonbury 2004)

聴衆が盛り上がって、歌声や手拍子でライブに参加する様子から、人々の「ヘイ・ジュード」という楽曲に対する愛情がひしひしと伝わってきます。

 

歌詞を書こう!

友情や優しさから歌詞が生まれることもあります。大親友の子どもが両親の離婚で苦しんでいる! それを歌で慰めよう、勇気づけよう! ……この楽曲が、これほどまでに世界中で愛されているのは、やはり、根底にポール・マッカートニーの深い愛情があったからですね。

いろいろな人が、さまざまな「ヘイ・ジュード」の訳詞や和訳、意訳、翻訳を行っています。さまざまな解釈があります。どれも正解だと思います。

今回の、ウームソング・ドット・クラブの和訳は、ビートルズやポール・マッカートニーの当時の状況・心情を汲みとって、とても丁寧に訳しました。きっと、その歌詞の奥深さを十分に感じていただけたと想います。

ご感想など、下のコメント欄でお聞かせくださいね。どうぞ、よろしくお願いいたします。皆さんも今の自分を見つめた真剣な歌詞を……歌詞を書きましょう!

 

まとめ

ポール・マッカートニーの人間味があふれてくる名曲! 「ヘイ・ジュード」を もう一度、じっくり聴いてみましょう。

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野口 義修

投稿者プロフィール

音楽プロデューサー。
ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。
あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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コメント

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  • コメント (2)

    • ノエルかえる
    • 2016年 11月 27日

    訳して見ました、
    おやまあ、ジュード、恋の病いに臥せったりして。 
    悲し気な歌は片付けなさい。それだけでも、ましになるから。
    肝心なのはね、君の関心の中心に彼女を置くことだよ。 
    そうすれば、恋の病いも快方に向かって行くものだよ。 

    いいんだ、ジュード、不安に思うことはないんだよ。
    外に出てあの娘に会うことは、生まれた時から決まってたんだよ。
    君があの娘を深く理解出来たその時に、 
    恋の病いは快方に向かい始めるからね。 

    まさか、何かの劫罰だと思っているのかい? ちがうよ、
    ジュード、この文句を繰り返し歌うんだ。 
    「アトラスの様に、世界を肩に負うもんじゃない。」 
    いいかい、分かるだろう、
    自分の世界を無味乾燥にして、乙に清ましている人、
    愚かに見えないかい? 

    どうだい、ジュード、しっかりするんだ。
    彼女はそこにいる、さあ、行って抱きしめるんだ。 
    肝心なのはね、君の関心の中心に彼女を置くことだよ。 
    そうすれば、恋の病いも快方に向かって行くものだよ。 

    さあさあ、力まないで、張り詰めないで、
    落ち着いて、ジュード、歌い始めるんだ。 
    まさか、伴奏者を待っているのかい? 
    分からないのかな? 君一人しかいないんだよ。 
    さあ、楽章は君の肩に載っているんだからね。 

    • 野口 義修
      • 野口 義修
      • 2016年 11月 27日

      うーむ、ありがとうございます! 意訳でも キッチリと伝えたいポイント出ていますね。 アトラスの行は おっと想いました。 良いですね!! 今後とも、ウームソングをよろしくお願いいたします。 野口

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野口 義修

音楽プロデューサー。

ベストセラーの『作曲本』(シンコー刊)や『楽しく学べる作詞作曲』(ナツメ社)の著者。

あみんの「待つわ」、雅夢の「愛はかげろう」、アラジンの「完全無欠のロックンローラー」、 伊藤敏博の「さよなら模様」......など多くの才能やヒット曲を世に送り出す。

ヤマハ音楽院、昭和音大で作曲などの講師を歴任。

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